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No.34 「チキータ」 [日記]

 駅からの帰宅途中、公園の横にある細い道を早足で歩いていると、突然公園から

 私の前に何かが飛び出して来た。

 ワッと驚いて立ち止まると、ロングコートを着てサングラスをかけた男が私を

 遮るように立ちはだかった。そして着ていたコートの前を両手で開いた。

 男の下半身は、裸だった。上半身はシャツらしいものを身につけていたが、

 下半身は裸で、肌の白い太股や脛に生えた毛がなんとも薄汚く、なぜかソックス

 とビジネスシューズ履いていているのがとてもキモかった。

 そしてその男の股間にはどうだ、とばかりに男根が屹立している。周囲の陰毛

 が黒々として、人間の身体の一部分のというより、動物や植物かなにかを見て

 いるような感覚ですらあった。


 夜だというのにディテールまでよく見えたのは、その男が立っていたのは、

 ちょうど街灯に照らされる場所だったからだ。そう、完全に確信犯。明らかに

 変質者による猥褻物陳列罪ってやつだ。

 握った両手を口元に当てて絶句している私を見ると、その変態男はニッコリと

 笑い、自信たっぷり気に言った。

 「へへへ、ねぇちゃん、へへ、俺のこの立派なバナナ、食わんか?」

 ニタニタと品のない笑いを浮かべた。


 男根ぐらい、別に初めて目にしたわけでもないし、つーか、今までには何本

 もの男根を目にしてきた私だけど、マンガのような典型的な変態男に遭遇

 したのが可笑しくて、フリーズしたふりして観察してやった。


 すると、男はこう続けた。

 「どうだ、ねえちゃん。太さといい、長さといい、立派な反り具合といい、

 文句なしのビッグガイだろう。へへへ、気に入ってくれたかい、はははは」

 心持ち腰を突き出すような姿勢て笑いやがった。

 こんな変態男を目の当たりにすることなど、滅多にあることではないので、

 今度女友達と飲み会する時のネタにしてやろうと思い、もう少し観察して

 やろうと思った。

 驚いて言葉も出ない私をアピールしてやろうと、「ヒッ!」とか言ってみた。


 それに調子に乗ったのか、変態男は続けてこういった。


 「なんなら、触っても、かぶりついてもいいんだぜ」


 変態男の股間には、ご自慢の息子さんが、どうだ、と言わんばかりに天を

 仰いでいる。あら、よくみたら、サイズ的にも普通の範疇だし、とりたてで

 ご自慢するほどのモノでもないじゃない。


 この先、観察してみても、面白い飲み会のネタはなさそうだったので、

 空手二段の私の前蹴りをご披露するまえに、この変態男にひと言いってやる

 ことにした。


 「あらー、すごーい、なかなか太いチキータじゃないの」


 「わはは、すごいだろう。どうだ、まいったか」


 「でも残念、そのバナナ食べられる人はいないわね。だって、バナナは剥か

 なきゃ食べられないもの。剥いてからまた来てくださいね、真性さん!」


 私はニッコリ微笑んだ。



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